明朝・丸ゴシック・手書きは、サムネの一覧で読めるか。商用OKの4書体を、同じ言葉で測った

明朝と手書きのインクの量は、極太ゴシックの6割に届きませんでした。潰れない代わりに、細い線が一覧で消えかけます。

この記事の数値は に測ったものです。

先に結論

  • 明朝・丸ゴシック・手書きの3書体を、9月に測った極太ゴシック(Dela Gothic One)と同じ言葉・同じ方法で測りました。
  • インクの量は、丸ゴシックが極太ゴシックの0.92倍、明朝が0.59倍、手書きが0.54倍でした。
  • 明朝と手書きは、小さくしても潰れませんでした。一覧で14pxの「顔置」に残る白は、極太ゴシックの14%に対して、明朝65%・手書き51%でした。
  • その代わり、線が消えかけます。明朝の横線は縦線の6分の1ほどで、一覧で16pxの字なら0.4pxです。 字の大きさの16%の縁取りを付けると、細い線も黒い縁に囲まれて形が残りました。

比べた4書体

4つとも Google Fonts で配布されていて、SIL Open Font Licenseなので、商用の画像に使えます。 サムネるで段ごとに選べるのも、この4つです。

書体種類太さ(ウェイト)
Dela Gothic Oneゴシック1つだけ(もともと極太)
Noto Serif JP Black明朝Black(いちばん太い)
M PLUS Rounded 1c Black丸ゴシックBlack(いちばん太い)
Yusei Magic手書き1つだけ

実測:同じ言葉で、インクの量を数えた

同じ言葉「見た目が9割」を、同じ大きさ(200px)で4つの書体で描き、字面の箱の中で黒い画素が占める割合を出しました。

「見た目が9割」を、ゴシック・明朝・丸ゴシック・手書きの4書体で描いて縦に並べた図
上から ゴシック(Dela Gothic One)、明朝(Noto Serif JP Black)、丸ゴシック(M PLUS Rounded 1c Black)、手書き(Yusei Magic)。 同じ言葉・同じ大きさです。
書体字面の箱に占めるインクDela Gothic One を1としたときの黒い画素の数
ゴシック68.5%1.00
明朝35.1%0.59
丸ゴシック56.1%0.92
手書き37.2%0.54

明朝はいちばん太い Black を選んでも、極太ゴシックの6割に届きません。手書きも同じくらいです。 丸ゴシックは9割あり、9月に測った M PLUS 1p Black(56.5%)とほぼ同じ太さでした。

明朝と手書きは、小さくしても潰れない

画数の多い2字「顔置」を、一覧での大きさが 11 / 14 / 20 / 31px になるように描き、字面の箱に残っている白の割合を数えました(小さいほど潰れています)。 一覧での大きさは、1280×720 でつくった字を幅360pxに縮めたときの値です。

書体11px14px20px31px
ゴシック20%14%18%24%
明朝68%65%62%55%
丸ゴシック31%28%36%30%
手書き62%51%52%48%
「顔置」を、ゴシック・明朝・丸ゴシック・手書きの4書体で、一覧で31・20・14・11pxになる大きさで描いた図
この絵は一覧と同じ幅(360px)で見せています。 左から ゴシック・明朝・丸ゴシック・手書き。下の段ほど小さく、いちばん下は一覧で11pxです。

極太ゴシックは14pxで白が14%まで減りましたが、明朝と手書きは半分以上が白のままでした。 線が細いぶん懐(線と線のあいだの白)が広く、小さくしても「顔」「置」の内側が埋まりません。 丸ゴシックはその間で、どの大きさでも3割前後でした。

その代わり、細い線が消えかける

潰れない代わりに、線そのものが細くなります。 横線と縦線が1本ずつの「十」を200pxで描き、横線と縦線の太さ(黒が続く長さ)を測りました。 字の大きさに対する割合と、一覧で16px(1280×720で56px)・28px(100px)の字にしたときの太さです。

書体横線縦線一覧16pxの字で(横・縦)一覧28pxの字で(横・縦)
ゴシック20.5%24.0%3.3px・3.8px5.7px・6.7px
明朝2.5%16.0%0.4px・2.6px0.7px・4.5px
丸ゴシック17.0%20.0%2.7px・3.2px4.8px・5.6px
手書き5.5%13.0%0.9px・2.1px1.5px・3.6px

明朝の横線は縦線の6分の1ほどしかなく、一覧で16pxの字では0.4px、28pxの大きい字でも0.7pxでした。 手書きも、16pxの字では横線が1pxを切ります。 画面の1画素より細い線は画素の一部しか塗られないので、白い字なら、背景との差が小さい薄い線になります。

一覧の大きさ(字が16px)で描いた白い「見た目が9割」を、4書体で5倍に拡大した図。左は縁取りなし、右は字の大きさの16%の黒い縁取り
一覧の大きさ(字が16px)で描いた白い字を、5倍に拡大しました。左は縁取りなし、右は字の大きさの16%の黒い縁取り。 背景は明るさがまだらな地です。縁取りなしの明朝と手書きは、横線が背景に溶けかけています。

縁取りで、細い線を支える

右の列のように、字の大きさの16%の黒い縁取りを付けると、細い横線も黒い縁に囲まれて、形が残りました。 縁取りは字の下に描いているので、字の白い部分は細くなりません。

サムネるは、はじめは文字の後ろに板を敷かず、この16%の縁取りで読ませています。 明朝や手書きを選んだ段も同じです。

同じサムネで比べる

同じ背景・同じ文字・同じ型で、書体だけを変えた4枚です。 サムネるの本番で、背景をそのままにして書体だけを変えてつくりました。文字の縁取りは字の大きさの16%です。

青空と石垣の背景に、「城めぐりのコツ」「石垣だけ」「見れば分かる」の3段を、全部ゴシックで置いたサムネイル

ゴシック

同じ背景と文字を、全部明朝で置いたサムネイル

明朝

同じ背景と文字を、全部丸ゴシックで置いたサムネイル

丸ゴシック

同じ背景と文字を、全部手書きで置いたサムネイル

手書き

ゴシックと丸ゴシックは字そのものが太く、明朝と手書きは同じ大きさでも字が細いぶん、後ろの石垣がよく見えます。

書体は段ごとに選べるので、1段だけ変えることもできます。下は、2段目「石垣だけ」だけを明朝にした1枚です。

同じ背景に、「城めぐりのコツ」「石垣だけ」「見れば分かる」の3段を置き、2段目「石垣だけ」だけを明朝にしたサムネイル
2段目「石垣だけ」だけを明朝に。1段目と3段目はゴシックです。

ほかの題材で

サムネるの本番でつくった、ほかの2枚です。

窓辺の植物の背景に、上の段「夏休みの自由研究」を手書き、下の段「締切まであと7日」をゴシックで置き、右にキャラクターの頭を置いたサムネイル
1段目「夏休みの自由研究」だけを手書きに。下の大きい段はゴシックのままです。
窓辺の机の背景に、「SNSをやめた」「30日で変わったこと」を丸ゴシックで置き、右にキャラクターを置いたサムネイル
全部の段を丸ゴシックに。

今日からできること

  • 明朝や手書きは、縁取りとセットで使う。この記事では、字の大きさの16%の縁取りで細い線の形が残りました。
  • 小さい段は、ゴシックか丸ゴシックにする。一覧で16px前後になる段では、明朝の横線は1pxを切ります。
  • 大きい段だけ書体を変える。1段目だけ明朝や手書きにして、ほかの段はゴシックのまま、という分け方もできます。
  • 決める前に、一覧の大きさで見る。見え方チェックで、一覧に並ぶ大きさで確かめられます。