先に結論
- 「節約カレーの写真を1枚」と頼むと、3回とも文字のない写真が出ました。
- 同じ文を「節約カレーを紹介するYouTube動画のサムネイル画像を1枚」に変えるだけで、頼んでいない文字が3回とも入りました。「1食約80円!?」は3回とも同じ値段で、こちらは値段を一言も書いていません。 笑顔の男性も3回中2回、帯や丸いバッジ、集中線のような飾りも3回とも入りました。
- 文字を「1食100円カレー」と指定すると、その文字は3回とも正しく出ましたが、「激安・激ウマ!」のようなほかの文句も3回とも足しました。
- 文字の色・行の割れ方・置き場所・入れないものを細かく指定すると、3回とも指定どおりでした。
- 結局、書かなかったところは AI がサムネイルらしく埋め、書いたところには従いました。決めたいことは、全部言葉にして渡すのが近道です。
どう測ったか
Google の画像生成モデル Nano Banana 2.1(API の名前は gemini-nano-banana-2.1)に、同じ題材を4通りの頼み方で、3回ずつ描かせました。考える過程は指定せず既定のまま、2K・横長16:9です。 題材の文(「一人暮らしの台所でつくった、節約カレー」)は4通りとも同じで、変えたのは頼み方だけです。
| 頼み方 | 渡した文 |
|---|---|
| 写真 | 一人暮らしの台所でつくった、節約カレーの写真を1枚つくってください。横長(16:9)。 |
| サムネイル | 一人暮らしの台所でつくった、節約カレーを紹介するYouTube動画のサムネイル画像を1枚つくってください。横長(16:9)。 |
| サムネイル+文字 | 上の文のあとに「文字は「1食100円カレー」。」と足しただけ |
| 細かく指定 | 「サムネイル」の文に、次を足しました。カレーの皿は画面の右半分。画面の左上に2行で、 1行目「1食100円」は黄色の文字・黒い縁取り、2行目「節約カレー」は白い文字・黒い縁取り。 行の割れ方・色・縁取りは変えない。この2行以外の文字、矢印、丸や囲み、人物や顔、絵文字やアイコンは入れない。 |
この記事の絵は、どれもサムネるの本番を通っていない実験の絵です。人物は、AI が描いた実在しない人です。Google の API で直接描かせたもので、Gemini のアプリでは確かめていません。
結果1:「写真」と頼むと、文字は入らなかった

3回とも、生活感のある台所の写真でした。画面に重ねた文字、人物、飾りは1回も入っていません。 ただし、棚の調味料や袋のラベルには小さい字が描かれ、その多くは読める字になっていませんでした。
結果2:「サムネイル」と書くと、文字・人物・飾りが入った
1回目:男性と「1食約80円!?」
2回目:丸いバッジに値段
3回目:集中線と吹き出し| 回 | AI が足した文字 | 人物 | 飾り |
|---|---|---|---|
| 1回目 | 一人暮らし/1食約80円!?/限界/節約カレー/激ウマ・簡単・大量! | 男性(笑顔・両手で示す) | 帯 |
| 2回目 | 一人暮らしの/簡単・大盛り!/限界節約/カレー/1食 約80円!? | 手だけ | 丸いバッジ |
| 3回目 | 限界一人暮らしの/1食 約80円!?/「給料日前の救世主!」/激ウマ!/節約カレー/簡単・大盛り! | 男性(笑顔・指さす) | 集中線・キラキラ・吹き出し |
変えたのは「写真」を「YouTube動画のサムネイル」にした一か所だけです。それだけで、見出しの文句、値段、人物、飾りまで、AI がひとそろい考えて描きました。 足された大きな文字に誤字はありませんでした。
気をつけたいのは値段です。「1食約80円!?」は3回とも同じ80円で、こちらが渡した文のどこにもない数字でした。 そのまま使うと、動画の中身と合わない数字がサムネイルに載ることになります。
結果3:文字を指定しても、ほかの文句を足した

頼んだ「1食100円カレー」は、3回とも正しく出ました(「1食100円」と「カレー」の2行が2回、1行が1回)。 そのうえで、3回とも別の文句を足しています。ほかの2回は「一人暮らしの節約レシピ」「激安・激ウマ!」と、「一人暮らしの限界節約」「激ウマ!」でした。 人物は、男性が2回(1回は顔の下半分だけ)、手だけが1回です。「文字は◯◯」と書いても、それ以外の文字を入れないでほしいとは伝わっていませんでした。
結果4:細かく指定すると、3回とも指定どおりだった
1回目
2回目
3回目| 指定したこと | 従った回数 |
|---|---|
| 2行で「1食100円」「節約カレー」 | 3回中3回 |
| 1行目は黄色・2行目は白・どちらも黒い縁取り | 3回中3回 |
| 文字は左上・カレーは右半分 | 3回中3回 |
| ほかの文字・矢印・丸や囲み・人物や顔・絵文字やアイコンを入れない | 3回中3回 |
何も言わなかった回とは逆に、言葉にしたことは3回とも守られました。 文字の大きさは指定していませんが、3回ともほぼ同じ大きさでした。 背景の台所やカレーの皿は、回ごとにちがう絵です。
自分で頼むときに
- 決めたいことは全部書く。文字、色、行の割れ方、置き場所。書かなかったところは、AI がサムネイルらしく埋めます。
- 入れたくないものも書く。「この2行以外の文字、矢印、丸や囲み、人物や顔は入れない」と書いた回は、3回とも何も足しませんでした。
- 数字は、出す前に読み直す。値段を書かなかった回にも、「1食約80円!?」が入りました。
- 大きさの数字は、守られないことがある。別の実験で「画面の高さの4%」と頼んだ文字は、2〜3倍の大きさで描かれました(「Nano Banana 2.1の日本語は文字化けするか」)。
- モデルが変われば結果も変わります。この記事は、2026年10月9日に、このモデルで測った結果です。
それでも、文字はあとから置く
細かく指定すれば、文字の色や行や置き場所は従いました。何も指定しないと、同じ見出しを5回描かせて、文字の色の組み合わせが5回とも別でした(「Nano Banana 2.1でサムネをつくる」)。
ただ、文字を直して頼み直すと、絵ごと描き直しになり、背景も変わります(できた絵の文字だけを直してもらうやり方は、この記事では試していません)。 シリーズで絵をそろえたいときや、話数だけ変えたいときには困ります。 AIには文字のない絵だけを描いてもらい、文字は画像編集ソフトなりプログラムなりで、あとから乗せるやり方もあります。