Nano Banana 2.1でYouTubeサムネをつくると。前の2と同じ指示で、背景・見出し・看板の文字を比べた

見出しも看板も、頼んだ文字はそのまま出ました。変わらなかったのは、同じ指示から毎回ちがう見出しが出ることです。

この記事の数値は に測ったものです。

先に結論

  • 見出しの文字は、8枚描かせて誤字がありませんでした。13文字・6文字・2文字の日本語と、比べるための英語です。
  • 看板と道路標識は、前の Nano Banana 2 も 2.1 も、頼んだ文字が8回中8回そのまま出ました。この日の組では、頼んだ文字の正しさに差は出ませんでした。 差が出たのは、頼んでいないものを書き足すかどうかです。
  • 変わらなかったこともあります。同じ指示・同じ文言で5回描かせると、文字の色の組み合わせは5回とも別でした。 行の割れ方は5回中4回が同じ3行で、1回は4行でした。頼んでいない色分けは5回とも入りました。 絵の中の頼んでいない小さい文字は、2 でも 2.1 でも崩れました。
  • 背景は、同じ指示で12回描かせて写真らしさも構図もそろっていました。 1枚にかかった時間(中央値)は、2 が21秒ほど、2.1 は既定のままで30秒ほど、 考える過程を「少なめ」にすると23秒ほどでした。
  • 結局、サムネイルの文字は、絵とは別に置くほうが扱いやすいという考えは変わりませんでした。 理由は「化けるから」ではなく「決められないから」です。

Nano Banana 2.1 とは

Google が2026年10月6日に出した画像生成モデルです。前の Nano Banana 2(API の名前は gemini-3.1-flash-image)の後継で、API の名前は gemini-nano-banana-2.1 です。Google によると、見た目の質・指示への従い方・文字の描き方などが良くなったとのことです。 描く前に考える過程の量を「少なめ・中くらい・多め」から選べ、何も指定しないと中くらいになります。

料金は公開されていて、自分で直接使えば 2K の画像1枚が8円ほどです(考える過程の分が少し足されます)。

出典: Google の Gemini API の変更履歴・料金・画像生成のページ(2026年10月7日に確認)

サムネるも、10月7日から背景の絵をこの 2.1 で描いています。そのときに、前の 2 と同じ指示で並べて比べました。 ここに載せるのは、その記録と、文字を描かせる実験の結果です。

どう測ったか

  • 背景(12回):サムネるが本番で背景を頼むときと同じ組み立ての指示を、モデルだけ替えて描かせました。 題材も同じ文のままです。2 と、2.1 の「少なめ」「中くらい」を1回ずつ。文字は描かせていません。
  • 見出し(8枚):夕方のキャンプ場の絵に、見出しの文字を入れてもらいました。絵の指示はすべて同じにして、変えたのは文字だけです。 13文字は同じ指示で5回描かせました。2.1 は考える過程を指定していません(既定の中くらい)。
  • 看板と標識(2モデル×8枚):そば屋の看板(日本語・英語)、道路の案内標識、駅の案内板の4つを、2 と 2.1 に同じ指示で2回ずつ描かせました。

どれも 2K・横長16:9です。頼み方は素直にしました(「看板に『手打ちそば 松乃屋』と書いてある」「一字も変えず、誤字がないように」)。 小細工をすると、普通に使ったときの再現にならないからです。この記事の絵は、どれもサムネるの本番を通っていない実験の絵です。

結果1:背景は、見た目がそろっていた

Nano Banana 2 が描いた背景。寺の縁側と赤や橙の紅葉。左側は暗く静かNano Banana 2
Nano Banana 2.1 が描いた背景。同じく寺の縁側と紅葉だが、色は落ち着いた金色Nano Banana 2.1(少なめ)
実験の絵。同じ題材「京都の紅葉めぐり」・同じ指示で描かせた背景です。 縁側の奥行きと、左を静かにして右に紅葉を置く構図はそろっています。色の出方は回ごとにちがいます。
12回1枚の時間(中央値)継ぎ目があった字や看板のような模様(目安)
Nano Banana 220.9秒23
2.1・少なめ23.4秒01
2.1・中くらい(既定)29.6秒01

「継ぎ目」は、別の写真を横に並べたような縦の境目のことです(サムネるが本番で見張っている崩れ)。 継ぎ目と字のような模様は、文字を読むAIに絵を見せて数えた目安です。どれも1回ずつなので、1枚の当たり外れは偶然のこともあります。「少なめ」と「中くらい」で絵に大きな差は見えず、時間は「少なめ」のほうが6秒ほど短くなりました。 ただし「少なめ」でも、中で何度も描き直して1分を超えた回が1回ありました。

結果2:見出しの文字は、そのまま出た

入れてほしいと頼んだ文字枚数見出しの誤字
初心者が最初に買うべき道具(13文字)50
絶対に買うな(6文字)10
神回(2文字)10
BEST FIRST GEAR(英語・比べるため)10

「初心者」「最初」「買う」「道具」「絶対」と、画数のある漢字も崩れませんでした。 ひとつだけ、「神回」の「回」は、内側の四角の線が詰まって、ふつうの書体とは少しちがう形でした。字としては「回」と読めます。

結果3:同じ指示から、毎回ちがう見出しが出る

「初心者が最初に買うべき道具」を、同じ文のまま5回描かせました。

1回目。4行に割れ、2行目の「最初に」だけが黄色1回目:4行・「最初に」だけ黄色
2回目。3行に割れ、1行目が黄色、3行目の「道具」がオレンジ2回目:3行・3色
3回目。3行に割れ、文字のふちが赤い3回目:3行・ふちが赤
実験の絵(Nano Banana 2.1・考える過程は既定)。渡した文は1文字も変えていません。色を分けてほしいとは一言も書いていませんが、5回とも行ごとに色を分けました。
回行の割れ方文字の色ふち
1回目4行白・黄(最初に)・白・白黒
2回目3行黄・白・オレンジ黒
3回目3行黄(「が」だけ白)・白・黄からオレンジ赤
4回目3行黄(「が」だけ白)・白・黄黒
5回目3行白・黄・オレンジ黒

3行が4回、4行が1回。色の組み合わせは5回とも別でした。そろっていたのは、最後の「道具」がいちばん大きく描かれたことくらいです。 サムネイルらしく見せる工夫を、頼まなくても入れてくる、とも言えます。 ただ、どこで改行し、どの行を何色にするかは、こちらが決められていません。

前のモデル(Nano Banana 2)で同じ実験をした2026年9月3日の記録では、見出しの誤字はやはりゼロで、 頼んでいない色分けは5回中1回でした。場面と文言がちがうので並べて比べることはできませんが、「誤字は出ない、でも毎回ちがう」という形は同じでした(「AIは日本語の文字を描けない、はもう古い」)。

結果4:看板と標識は、2 も 2.1 も頼んだ文字が出た

道路の上の青い案内標識。「富士宮 15km」「静岡 42km」と正しく書かれている
実験の絵(Nano Banana 2.1)。「富士宮 15km」「静岡 42km」の2段も、矢印も、頼んだとおりです。
頼んだ文字Nano Banana 2Nano Banana 2.1
そば屋の看板「手打ちそば 松乃屋」2回中2回 正しい2回中2回 正しい
同じ看板を英語で「MATSUNOYA SOBA」2回中2回 正しい(2回とも漢字の店名を足した)2回中2回 正しい
道路の案内標識「富士宮 15km」「静岡 42km」2回中2回 正しい(1回はローマ字を足した)2回中2回 正しい
駅の案内板「3番線 東京・品川方面」2回中2回 正しい(1回は崩れた文字を足した)2回中2回 正しい(英語の案内を足した)

頼んだ文字は、どちらのモデルも8回中8回そのまま出ました。「看板の文字が正確になった」という話を聞いて試しましたが、この日の組では、前の 2 もすでに正しく描いていました。

差が出たのは、頼んでいないものを書き足すかどうかでした。

Nano Banana 2。英語の看板の上に、頼んでいない漢字の店名「松乃家そば」が大きく書かれている2:漢字の店名を足した
Nano Banana 2.1。看板は頼んだとおり英語の「MATSUNOYA SOBA」だけ2.1:英語だけ
実験の絵。どちらも「看板に『MATSUNOYA SOBA』と書いてある」と頼んだものです。 2 は2回とも、看板に「松乃家そば」と漢字を足しました(日本語で頼んだ回の「松乃屋」とも字がちがいます)。 2.1 は2回とも、看板は英語だけでした。2回ずつなので、たまたまかもしれません。

結果5:頼んでいない小さい文字は、どちらも崩れる

Nano Banana 2.1。そば屋の隣に並ぶ看板に「きモそば」など意味の通らない文字がある2.1:周りの看板
Nano Banana 2。駅の案内板に、頼んでいない「(にくまき)」という文字が足されている2:駅の案内板
実験の絵(切り出し)。左は 2.1 が、頼んだ看板の隣に自分で描き足した看板で、 「きモそば」のように意味の通らない文字が並びます。 右は 2 が駅の案内板に足した「(にくまき)」です。

頼んだ文字が正しく出た同じ絵の中で、頼んでいない文字は崩れていました。 お品書きや隣の店の看板のように、頼んでいないのに絵の中に足された文字です。 2.1 は周りの看板に、頼んだ店名「松乃屋」をそのまま写すこともありました。背景に看板や画面を入れるなら、そこに書かれる文字はあてにしないほうがよさそうです。

自分で Nano Banana 2.1 を使うときに

  • 見出しは、頼めばそのまま出ることが多い。この日は8枚で誤字ゼロでした。ただし1枚で決めず、同じ指示で3〜5枚描かせて、ばらつきの幅を見てください。
  • 位置・行の割れ方・色を決めたいなら、AIに描かせない。頼まなくても色分けが入り、毎回ちがう形で返ってきます。 シリーズで見た目をそろえたいときほど困ります。
  • 看板に文字を入れたいなら、文字そのものを指定する。指定した文字は出ましたが、指定していない文字は崩れました。
  • 待ち時間が気になるなら、考える過程を「少なめ」にする。背景の12回では、絵の差は小さく、1枚あたり6秒ほど短くなりました。
  • モデルが変われば結果も変わります。この記事も、2026年10月7日に、このモデルで測った結果です。

2026年10月9日の追記: この記事では、文字の位置や色を指定していません。そのあと、色・行の割れ方・置き場所を細かく指定して描かせたら、3回とも指定どおりでした(「Geminiでサムネをつくるプロンプト」)。長い見出しや縦書き、画数の多い漢字を試した結果は「Nano Banana 2.1の日本語は文字化けするか」に書きました。

だから、文字はあとから置く

AIには文字のない絵だけを描いてもらい、文字は画像編集ソフトなりプログラムなりで、あとから乗せるやり方があります。位置も大きさも色も改行の場所も、こちらで決められます。 文字を打ち替えても絵は変わらず、描き直しの費用もかかりません。 モデルが新しくなって誤字が減っても、この「決められる」ほうの理由は残ります。

AIでサムネイルをつくると何ができて何ができないかは「AIでYouTubeサムネイルはつくれるのか」に1枚でまとめました。 AIに渡す指示のどの一語が絵を決めているかを数えた話は「AIにサムネイルの背景を描かせると同じ絵ばかり出るのは、たいてい指示のせい」に書いています。